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| 近視の子どもが増えているという。家庭だけでなく学校でもデジタル機器の画面を見つめる時間が増え、近視のリスクが高まるのではと気になる。予防には「屋外で過ごす時間を増やすこと」「近くを見る作業に気をつけること」が有効だ。近視になると、遠くのものがぼやけて見える。本来は球形をしている眼球が前後方向に長く変形することが主な原因だ。近視かどうかは視力検査だけでは分からず、角膜から網膜までの長さ(眼軸長)を測るなど詳しい検査が必要になる。文部科学省が毎年取りまとめている学校保健統計調査では、眼鏡をかけない状態での「裸眼視力」が1.0未満の子どもの割合は2024年に小学校で37%、中学生で61%、高校生で71%。その多くは近視が原因とみられるものの、実態はよく分かっていなかった。 |
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| 近視を発症する年齢が低いほど、その後の近視の程度が強くなるとする研究結果がある。近視の程度が強いと将来、網膜剥離や緑内障などのリスクも高まるとされている。小中学生でパソコンやタブレットなどデジタル端末を使う授業が本格化し、目の健康への影響を心配する声に応えるため文部科学省は21~23年度に初めて大規模な近視の実態調査を実施した。対象は9都道府県の29校の小・中学生で各年度約9千人。裸眼視力1.0未満の多くは近視であることが示唆されたほか、約5200人を追跡すると、学年が上がるごとに近視の割合が増え、特に小学校低学年から中学生にかけて大きく増えることが分かった。生活習慣に関するアンケートと併せて分析すると、「短い休み時間でも出られるときはいつも外に出る」など屋外での活動が多い子どもは、屋外活動の少ない子どもよりも視力低下のリスクが低いとの結果が得られた。学校以外での電子機器の使用が視力低下や近視に関連するかどうかは明確な結果が出なかった。だだ、学校以外での勉強や読書の時間が長いと視力低下や近視のリスクが高くなっていた。文科省は、電子機器の使用も含めて長時間、近くを見る作業に気をつけることが近視の予防に重要だとしている。根岸一乃慶応大教授によると、デジタル端末の使用と近視のリスクとの関連を調べた研究には「長時間の使用でリスクが4~8倍高まる」とする結果から、関連がないとする結果までばらつきがあるという。一方、野外の活動時間は長いほど近視の発症率が低くなることは多くの研究で示されている。シンガポールや台湾では子どもの屋外活動を増やす対策を進め、近視の子どもの割合が低下した。根岸さんらが都内の小学校を調べた研究では、新型コロナウイルス流行で外遊びの時間が減り、デジタル端末を使う時間が増えた19~20年は近視の進行が加速する傾向が見られ、その後、進行が緩やかになったという。「外遊びの時間が回復したことが影響した可能性がある。私たちの研究では、日本は他の国に比べ就学前の子どもも眼軸長が長い傾向にあるという結果が得られており、幼児期からの予防が重要です」と根岸さんは話す。 |
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